あるお母さんが、こんなことを話してくださいました。
「子どもに“お母さんは理論的な思考ができないから嫌いだ”って言われたんです。」

子どもからの「嫌い」という言葉。
それは、どんな言葉より胸に突き刺さることがあります。

その方は、小さい頃から子どものために一生懸命働き、育ててきました。
「私は学がないから、この子には惨めな思いをさせたくない」
そう思って、自分の欲しいものはほとんど買わず、教育費に回してきたそうです。

だからこそ、その言葉は本当に辛かったのでしょう。
「私のやってきたことは、意味がなかったのかな…」
そんな気持ちが、心の中に広がっていました。

でも、少しお話をしていく中で、私は思いました。
このお母さんは、ずっと子どもを思って生きてきた人なのだと。

子どもは成長の過程で、時にきつい言葉を使うことがあります。
それは本当の気持ちとは少し違うことも多いものです。

それでも、言われた側の心は簡単には整理できません。

だからこそ、まず大切なのは
「こんなに傷ついている自分がいる」
という気持ちを、否定しないことなのかもしれません。

子どもとの関係は、いつも揺れながら変わっていきます。
その中で、親もまた、自分の心に気づいていくのだと思います。