子どもに「嫌い」と言われた日

一生懸命に育ててきたのに、否定されたように感じたあなたへ

「お母さんは、論理的な思考ができないから嫌い」
あるお母さんが、そんな言葉をお子さんから言われたと話してくださいました。

静かに話されていましたが、その言葉には深い悲しみがにじんでいました。
一生懸命に育ててきた子どもから、突然「嫌い」と言われたら
どんな気持ちになるでしょうか。

悲しい。
悔しい。
情けない。

そして、何よりも、
「私の子育ては、間違っていたのだろうか」
そんな思いが浮かんでくるかもしれません。

今日は、子どもの言葉に深く傷ついたお母さんのお話です。

この子には、惨めな思いをさせたくなかった

そのお母さんは、お子さんが小さい頃から一生懸命に働いてこられました。
「自分は学がないから、この子には惨めな思いをさせたくない」
そんな思いがあったそうです。

自分の欲しいものは我慢して、やりたいことも後回し。
子どもには、できるだけ良い教育を受けさせたい。
自分と同じ苦労をさせたくない。

そんな気持ちで、教育費を工面しながら、お子さんを育ててこられました。
だからこそ、
「論理的な思考ができないから嫌い」
という言葉は、あまりにもつらかったのだと思います。

自分なりに精いっぱい頑張ってきたのに。
この子のためにと思って、いろいろなことを我慢してきたのに。
「私のやってきたことは、何だったんだろう」

そんな気持ちになってしまったのかもしれません。

子どもの言葉で、自分のすべてを否定しなくていい

子どもには、子どもの考えがあります。
成長するにつれて、親とは違う価値観を持つこともあるでしょう。

親の言動に、不満を感じることもあるかもしれません。
そして、親子だからこそ、遠慮のない言葉をぶつけてしまうこともあります。

でも、だからといって、言われた側が傷つかないわけではありません。
たとえ親であっても、悲しいものは悲しいのです。

「そんなことを言われたら、傷つくよ」
そう感じていいのです。

そして、もうひとつ。
子どもから否定されたことと、あなたが親として頑張ってきたことは、別の話です。

うまくできなかったことも、あったかもしれません。
振り返れば、もっと違う関わり方ができたと思うこともあるでしょう。

でも、それだけで、これまでの時間がすべて無意味になるわけではありません。

「子どものため」に、自分を後回しにしてきませんでしたか?

今回のお母さんのお話を聞きながら、もうひとつ考えたことがあります。

それは、お母さん自身の幸せは、どこにあったのだろうということです。
子どもには苦労させたくない。
子どもには幸せになってほしい。
そんな思いから、自分のことを後回しにしてきた。

でも、その間、お母さん自身は何をしたかったのでしょうか。
欲しかったもの。
行きたかった場所。
やってみたかったこと。
本当は、誰かに助けてほしかった日もあったかもしれません。

子どもを大切にすることは、素敵なことです。
でも、子どもを大切にするために、自分を犠牲にし続ける必要はないのです。

親だって、一人の人間です。
疲れることもあります。
傷つくこともあります。
自分の人生を楽しんでいいのです。

子どもへの愛情と、自分を大切にすることは両立できる

子どもから否定されると、
「もっと頑張ればよかった」
「もっと勉強しておけばよかった」
「もっといい母親だったら」
と、自分に足りなかったものを探してしまうことがあります。

でも、少しだけ考えてみてほしいのです。
これまで、十分すぎるほど頑張ってきたのではありませんか。
これ以上、自分を責め続けなくてもいいのではありませんか。

子どもの言葉を、すべて受け入れる必要はありません。
もし、言われたことの中に振り返るべきことがあるなら、落ち着いてから考えればいいのです。

そして、傷ついたことは、傷ついたと伝えてもいい。
親だからといって、何を言われても我慢しなければいけないわけではありません。

子どもの気持ちを尊重することと、自分の心を傷つけたままにすることは違います。
親子であっても、お互いを大切にするための距離感は必要なのです。

これからは、お母さん自身の幸せも大切に

子どもが小さかった頃は、毎日が子ども中心だったかもしれません。
自分の時間も、自分のお金も、自分の気持ちも。

いつも子どものことが先だった。
でも、子どもが成長した今、少しずつ自分自身に目を向けてみませんか。

「私は、これから何をしたいんだろう」
「どんな時間を過ごせたら、うれしいんだろう」
最初は、すぐに答えが出なくても大丈夫です。

長い間、自分のことを後回しにしてきたのなら、わからなくても不思議ではありません。
少しずつ、自分の好きなことや、心地よい時間を見つけていけばいいのです。

子どもとの関係が、今すぐ変わらなくても。
子どもから、感謝の言葉が返ってこなくても。
あなた自身の人生を、大切にしていいのです。

あなたが頑張ってきた時間まで、消えたわけではありません

子どもに「嫌い」と言われた日。
その言葉が、いつまでも心に残ってしまうこともあるでしょう。
無理に忘れなくてもいいのです。
すぐに許そうとしなくてもいいのです。

まずは、
「悲しかったね」
「一生懸命だったんだよね」
と、自分の気持ちを受け止めてあげてください。

そして、できれば、こんな言葉もかけてあげてほしいのです。
「私も、幸せになっていいんだよ」

子どもを大切に思う気持ちも。
自分の人生を大切にしたい気持ちも。
どちらも持っていていいのです。

これからは、誰かのためだけではなく、自分自身のためにも生きてみませんか。

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