Q. 本当は優しくしたいのに、どうして同じことを繰り返してしまうのでしょうか?
こんなお悩みをいただきました。
「本当は子どもに優しくしたいのに、ついきつく言ってしまう」
「勉強のことになると、必要以上に厳しくなってしまう」
「子どもがやりたいと言ったことを、つい否定してしまう」
そして、あとになって、
「またやってしまった……」
「どうして、もっと優しく言えなかったんだろう」
「さっきの言葉で、あの子を傷つけてしまったかもしれない」
そんなふうに、自分を責めてしまう。
本当は、子どもの気持ちを大切にしたい。
笑顔で話を聞いてあげたい。
それなのに、同じことを繰り返してしまうのは、なぜなのでしょうか。
A. 子どもへの言葉の中に、自分が育ってきた環境の影響が隠れているのかもしれません。
子どもに厳しく言ってしまう背景には、さまざまな理由があります。
疲れやストレスがたまっていたり、子どもの将来が心配だったり。
そして、もうひとつ。
自分自身が子どもの頃に受けてきた関わり方が、影響していることもあります。
例えば、こんな言葉をかけられて育ってきませんでしたか。
「ちゃんとしなさい」
「そんなこともできないの?」
「甘えてばかりいないで」
「将来困るのは自分なんだから」
子どもの頃、何度も聞いてきた言葉。
そのときは嫌だったはずなのに、大人になって親になった自分が、同じ言葉を口にしている。
そんなことがあるのです。
知らないうちに受け継いでいた「借り物のルール」
アダルトチルドレンとして育ってきた方の中には、親の期待に応えようと、一生懸命に頑張ってきた方がいます。
失敗したら怒られる。
ちゃんとできなければ認めてもらえない。
親の言うことを聞かなければ、嫌われてしまう。
そうした経験を重ねる中で、
「失敗してはいけない」
「努力しなければ価値がない」
「ちゃんとしていることが大切」
という考え方が、当たり前になっていくことがあります。
私は、こうした子どもの頃から身につけてきた考え方を、「借り物のルール」と呼んでいます。
本当は、自分で選んだわけではないのに。
いつの間にか、自分の中の「正しさ」になっている。
そして、親になったとき、そのルールを自分の子どもにも当てはめてしまうことがあるのです。
でも、気づいてほしいのです。
あなたが子どもの頃に教えられたことが、必ずしも今のあなたや、お子さんに必要なこととは限りません。
「勉強したくない」と言われたとき、何を感じますか?
例えば、子どもが、
「今日は勉強したくない」
と言ったとします。
その瞬間、
「そんなこと言っていたら、将来困るよ!」
「今やらないで、いつやるの?」
と、強い言葉が出てしまう。
でも、本当は何を感じていたのでしょうか。
「この子が将来困ったらどうしよう」
「勉強についていけなくなったらかわいそう」
そんな心配があったのかもしれません。
あるいは、自分自身が勉強や成績のことで厳しく言われてきたために、「勉強しないこと」に強い不安を感じるのかもしれません。
子どもの言葉に反応したとき、そこにはお子さんへの思いだけでなく、自分自身の過去の経験や不安が重なっていることもあるのです。
まずは、自分の心に問いかけてみましょう
子どもにきつく言ってしまったとき。
「またやってしまった。私はダメな親だ」
と、自分を責め続ける代わりに、少しだけ立ち止まってみてください。
そして、自分に問いかけてみましょう。
「私は、何がそんなに不安だったんだろう?」
「子どもに、どうなってほしかったんだろう?」
「本当は、どんな言葉をかけたかったんだろう?」
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
まずは、自分の気持ちに気づくこと。
そこから、これまでとは違う関わり方を考えていけます。
子どもとの関係は、言い直すことから始められる
もし、きつく言ってしまったら。
あとからでも、こんなふうに伝えてみませんか。
「さっきは、強く言いすぎちゃったね。ごめんね」
「勉強のことが心配で、つい厳しく言ってしまったんだ」
「あなたは、どうしたかったの?」

大切なのは、謝ったあとに子どもの気持ちも聞いてみることです。
そして、同じ場面になったとき、少しずつ違う言葉を選んでみる。
すぐに変わらなくても、あきらめる必要はありません。
ただし、謝ったからといって、子どもの傷ついた気持ちがすぐに消えるとは限りません。
子どもがまだ怒っていたり、話したくなかったりすることもあるでしょう。
そんな気持ちも尊重しながら、少しずつ信頼を育て直していけばいいのです。
自分に優しくすることと、子どもに優しくすること
子どもに優しくできなかった自分を、いつまでも責め続ける必要はありません。
でも、「仕方がなかった」で終わらせるのでもありません。
なぜ、あんな言葉が出てしまったのか。
自分は何を怖がっていたのか。
どんな関わり方をしたかったのか。
そんなふうに自分を理解しながら、次の行動を少しずつ変えていく。
自分を責めないことと、自分の言動に向き合うことは、両立できるのです。
そして、あなた自身も、子どもの頃に欲しかった言葉を、自分にかけてあげてほしいのです。
「失敗しても大丈夫だよ」
「完璧じゃなくてもいいんだよ」
「あなたの気持ちも、大切だよ」
かつて自分が受け取れなかった優しさを、今から自分に向けてあげる。
そうして、自分との関係が少しずつ変わっていくことで、子どもへの関わり方にも新しい選択肢が生まれてくるかもしれません。
子どもとの関係も、自分自身との関係も、今から少しずつ育て直していくことができます。
自分を味方に、わたしを大好きになる
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