頼まれると断れないのはなぜ? 自分を後回しにしないための小さな一歩
「これ、お願いしてもいい?」
そう言われた瞬間、本当は嫌なのに、
「はい、大丈夫です」
と答えてしまう。
今日は忙しいのに。
自分の仕事だって、まだ終わっていないのに。
でも、断ったら相手が困るかもしれない。
嫌な顔をされたらどうしよう。
そんなことを考えているうちに、また引き受けてしまう。
そして、あとになって思うのです。
「どうして、また断れなかったんだろう」
あなたにも、そんな経験はありませんか。
「嫌」と言えないのは、優しいからだけではありません
頼まれたら断れない人は、周りから「優しい人」「頼りになる人」と思われることがあります。
相手のことを考えられるのは、素敵なことです。
でも、心の中では、
「断ったら嫌われるかもしれない」
「期待に応えなければ、がっかりされる」
「私が我慢すれば、丸く収まる」
そんな不安を抱えていませんか。
アダルトチルドレンとして育ってきた方の中には、子どもの頃から親の顔色をうかがい、期待に応えようとしてきた人もいます。
「いい子にしていなければ」
「親を怒らせてはいけない」
「自分の気持ちより、周りを優先しなければ」
そんな思いが、いつの間にか当たり前になっていたのかもしれません。
だから大人になってからも、誰かに頼まれると断ることが怖くなる。
断れないのは、意志が弱いからではなく、そうすることで自分を守ってきた経験が関係しているのかもしれないのです。
「大丈夫です」と言い続けた心は、疲れていませんか?
本当は無理なのに、引き受けてしまう。
頼まれたことは、最後まできちんとやらなければと思う。
周りからは「いつも助かるよ」と感謝されるけれど、自分の心はどんどん疲れていく。
家に帰ると、何もする気になれない。
ソファに座ったまま、しばらく動けない。
それでも翌日になると、また笑顔で、
「大丈夫です」
と言ってしまう。
そんな毎日を続けていませんか。
以前、カウンセリングに来られた女性も、周りから「頼れる人」と言われていたそうです。
仕事でもプライベートでも、頼まれることが多く、いつも「大丈夫です」と引き受けていました。
でも本当は、とても疲れていたのです。
ある日、家に帰ると、着替える気力もなく、そのまま床に座り込んでしまったそうです。
そして、ふと思ったといいます。
「私、こんなに無理していたんだ……」
頑張ることが当たり前になっていると、自分の疲れにさえ気づけなくなることがあります。
断ることが怖いなら、すぐに返事をしなくていい
「嫌なことは、ちゃんと断りましょう」
そう言われても、それができたら苦労しませんよね。
だから、最初から上手に断ろうとしなくていいのです。
まずは、頼まれた瞬間に返事をしないことから始めてみませんか。

例えば、
「少し考えてから、お返事してもいいですか?」
「予定を確認してから、お伝えしますね」
「今の仕事を確認してみます」
そんな一言で大丈夫。
その場で「はい」と言わないだけでも、自分の気持ちを確かめる時間が生まれます。
そして、少しだけ自分に聞いてみてください。
「私は、本当に引き受けたいのかな?」
「今の私に、できる余裕はあるかな?」
「嫌われるのが怖くて、引き受けようとしていないかな?」
すぐに答えが出なくてもいいのです。
相手の気持ちを考える前に、自分の気持ちにも耳を傾けてあげる。
それが、自分を大切にする第一歩です。
断った相手が不機嫌になったら?
勇気を出して断ったのに、相手が不機嫌になった。
そんな経験があると、ますます断るのが怖くなりますよね。
「やっぱり引き受ければよかった」
「嫌われてしまったかもしれない」
そう思うこともあるでしょう。
でも、ここで知っておいてほしいことがあります。
相手が不機嫌になったからといって、あなたの断り方が間違っていたとは限りません。
もちろん、相手への伝え方を工夫することは大切です。
でも、相手の期待にすべて応える必要はありません。
「今日は難しいです」
「今回はお引き受けできません」
そう伝えることは、わがままではないのです。
自分の時間や体力、気持ちを大切にするための選択です。
相手を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違います。
自分の気持ちを大切にできるようになると
先ほどの女性も、カウンセリングの中で、なぜ断ることが怖いのかを少しずつ整理していきました。
「断ったら嫌われる」
「期待に応えなければいけない」
そんな思いが、自分の中にあることに気づいていきました。
そして、最初は小さなことから。
「今日は難しいです」
そう伝えられる場面が、少しずつ増えていったそうです。
すると、以前よりも気持ちが軽くなったと話してくださいました。
大きく変わろうとしたわけではありません。
ただ、これまで後回しにしてきた自分の気持ちを、少しずつ大切にするようになったのです。
「嫌」と言えることは、自分を大切にすること
これまで、たくさんの人に気を遣い、期待に応えようと頑張ってきたあなた。
でも、これからもすべてを引き受け続ける必要はありません。
誰かのために頑張る日があってもいい。
でも、自分のために断る日があってもいいのです。
最初は怖くても大丈夫。
うまく言えなくても大丈夫。
まずは「少し考えさせてください」と、一度立ち止まるところから始めてみましょう。
「嫌」と言うことは、相手を大切にしないことではありません。
自分の気持ちも、相手の気持ちと同じように大切にすることです。
これまで人のために使ってきた優しさを、これからは少しずつ、自分にも向けてあげてください。
自分を味方に、わたしを大好きになる
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