親孝行が、いつの間にか苦しくなっていませんか?

親の世話を断れないあなたへ。自分の生活も大切にしていいのです。

親から電話がかかってくる。
画面に親の名前が表示された瞬間、
「また何か頼まれるのかな……」
と、気持ちが重くなる。

本当は、親のことが心配。
できることなら、力になってあげたい。

でも、頼まれごとが増えるたびに、自分の時間も、お金も、心の余裕もなくなっていく。
そして、そんな自分に嫌気がさしてしまう。

「親のことなのに、こんなふうに思う私は冷たいのかな」
そんな気持ちを抱えていませんか。

親の世話がつらいのは、親不孝だから?

「親には感謝しなさい」
「育ててもらった恩は返しなさい」
そんな言葉を、子どもの頃から聞いてきた方もいるでしょう。

もちろん、親を大切にしたいと思う気持ちは、素敵なことです。
でも、親を大切にすることと、親の望みをすべて叶えることは同じではありません。

自分にも生活があります。
仕事もあれば、家庭もあります。
体調が悪い日も、疲れて何もしたくない日もあります。

それなのに、親から頼まれると断れない。
「できない」と言ったら、親が悲しむかもしれない。
「冷たい子だ」と思われるかもしれない。
そんな不安から、無理をして引き受けてしまうことがあります。

なぜ、親の頼みを断ることがこんなに怖いの?

アダルトチルドレンとして育ってきた方の中には、子どもの頃から親の顔色をうかがい、期待に応えようとしてきた人もいます。

親が不機嫌にならないように。
親をがっかりさせないように。
自分の気持ちより、親の気持ちを優先する。

そうやって過ごしてきた人にとって、親の頼みを断ることは、単なる「できません」という意思表示ではないのかもしれません。

「断ったら怒られる」
「嫌われてしまう」
「親を傷つけてしまう」
そんな怖さが、今も心に残っている場合があります。

でも、それは本当に、今のあなたが守らなければいけないことでしょうか。
子どもの頃に身につけた考え方が、大人になった今も、あなたを縛っているのかもしれません。

最初は「ついでに買ってきて」だったのに

例えば、親から、
「買い物に行くなら、これも買ってきて」
と頼まれたとします。
最初は、それほど負担ではなかったかもしれません。

でも、そのうち、
「あれもお願い」
「これもやっておいて」
と、頼まれることが増えていく。

気づけば、自分の予定を変更してまで親の用事を済ませている。

さらに、金銭的に大きな負担になることまで頼まれるようになってしまった。
自分にも生活がある。
結婚していれば、配偶者や義父母との関わりもある。

「まずは同居している家族に相談してほしい」
本当は、そう思っている。
でも、言えない。

親が傷つくかもしれないから。
機嫌を損ねるかもしれないから。
そして結局、今回も引き受けてしまう。

親のことを大切にしたい気持ちと、もうこれ以上は無理だという気持ち。
その両方が、心の中にあるのではないでしょうか。

親を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違う

ここで、一度考えてみてほしいのです。

「親を助けたい」
という気持ちは、自分の本当の願いでしょうか。

それとも、
「助けなければいけない」
という義務感でしょうか。

もちろん、両方あるかもしれません。
でも、「しなければ」という思いばかりが強くなっているのなら、少し立ち止まってもいいのです。

私は、子どもの頃から知らず知らずのうちに身につけた考え方を、「借り物のルール」と呼んでいます。

例えば、
「親の言うことは聞かなければいけない」
「自分が我慢すれば丸く収まる」
「親を悲しませてはいけない」
そんな考え方も、育った環境の中で身についたものかもしれません。

でも、今のあなたには、自分で選ぶことができます。
親を助けることも、助けられないと伝えることも、自分の状況や気持ちを確かめてから決めていいのです。

まずは、自分ができる範囲を考えてみませんか?

いきなり親の頼みを断るのは、難しいかもしれません。
だから、最初から大きく変わろうとしなくていいのです。

まずは、何か頼まれたときに、すぐ返事をしないこと。
「ちょっと予定を確認してから連絡するね」
「家族と相談してみるね」
そんな言葉から始めてもいいのです。

そして、自分に聞いてみましょう。
「今の私に、できる余裕はあるかな?」
「これは、私が引き受けなければいけないことかな?」
「ほかに頼れる人や方法はないかな?」

親の生活に必要な支援であっても、すべてを一人で担う必要はありません
家族やきょうだいで分担したり、地域包括支援センターなどに相談したりする方法もあります。

金銭的な負担についても、自分の生活を守るために、できる範囲を決めていいのです。
親への思いやりを持ちながら、自分の生活も守る。
その両方を大切にしていいのです。

親孝行は、自分を不幸にすることではありません

親のことが心配。
できることなら、助けてあげたい。
その気持ちは本物だと思います。

でも、同時に、
「もう疲れた」
「少し距離を置きたい」
「自分の生活を大切にしたい」
そう感じているのも、あなたの本当の気持ちです。

どちらか一方を、なかったことにしなくていいのです。
親を大切にしたい日もあるでしょう。

でも、今日は自分のことで精いっぱい、という日があってもいい。
親の期待に応えられないことがあっても、それだけで親不孝になるわけではありません。

親を大切にするために、自分の幸せまで差し出さなくていいのです。
あなたにも、あなたの人生があります。

これまで親の気持ちを優先してきたのなら、これからは少しずつ、自分の気持ちにも耳を傾けてあげませんか。
親のために何ができるかだけでなく、
「私は、これからどんな毎日を過ごしたいんだろう」

そんな問いかけも、大切にしてほしいと思います。

自分を味方に、わたしを大好きになる
つむぐ🍀こころLab

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