「困ったことがあっても、人に頼るより自分で解決したい」
「誰かと仲良くなるのは嬉しいけれど、距離が近くなりすぎると疲れる」
「自分の気持ちを聞かれても、何を感じているのかよくわからない」
そんな感覚に、心当たりはありませんか?
周りからは「しっかりしている」「自立している」と思われていても、実は人との関わりに、どこか息苦しさを感じている。
その背景には、「回避型愛着」と呼ばれる愛着のパターンが関係していることがあります。
今回は、アダルトチルドレンとも関わりのある回避型愛着について、3つの特徴から見ていきましょう。
前回のおさらい|不安型愛着と回避型愛着の違い
前回は「不安型愛着」についてお伝えしました。
不安型愛着は、大切な人との関係で「嫌われたくない」「見捨てられたくない」という不安を感じやすい傾向があります。
一方、今回の回避型愛着は、人との距離が近づくことに負担を感じやすい傾向があります。
大人の愛着スタイルは、わかりやすく次のように説明されることがあります。
安定型
相手とのつながりを信頼しながら、自分の気持ちや時間も大切にできる。
不安型(前回のテーマ)
相手の気持ちが離れることを恐れ、関係の中で不安を感じやすい。
回避型(今回のテーマ)
親密な関係に負担を感じやすく、相手と距離を取ろうとする。
※愛着スタイルにはほかの分類や、複数の特徴が重なる場合もあります。
では、回避型愛着にはどのような特徴があるのでしょうか。
POINT 1|困っていても「大丈夫です」と言ってしまう
仕事が忙しくて、どう考えても一人では終わらない。
そんなとき、同僚から、
「何か手伝おうか?」
と声をかけられました。
本当は助けてほしい。

でも、口から出たのは、
「大丈夫です。自分でできますから」
という言葉。
結局、一人で残業することになってしまいます。
回避型愛着の傾向がある方は、人に頼ることや弱い部分を見せることに抵抗を感じる場合があります。
「迷惑をかけたくない」
「人に頼るくらいなら、自分でやった方がいい」
「どうせ頼っても、わかってもらえない」
そんな思いがあるのかもしれません。
アダルトチルドレンの方の中には、子どもの頃に甘えたり、助けを求めたりしても、十分に受け止めてもらえなかった経験を持つ方もいます。
泣いても慰めてもらえなかった。
困っていても「自分でやりなさい」と言われた。
そんな経験が重なると、人に頼ることを諦め、自分で何とかする方法を身につける場合があります。
でも、大人になった今も、すべてを一人で抱えなければならないのでしょうか。
人に頼ることは、自立できていないという意味ではありません。
必要なときに助けを求められることも、大切な力のひとつです。
POINT 2|親しくなるほど、距離を置きたくなる
最初は楽しく話していた相手。
趣味も合うし、一緒にいる時間も心地よい。
ところが、相手から頻繁に連絡が来るようになると、なぜか気持ちが重くなる。
「今日は何をしていたの?」
「次はいつ会える?」
そんな何気ない言葉にも、窮屈さを感じてしまう。
そして、少しずつ返信を遅らせたり、会う回数を減らしたりするようになります。
相手のことが嫌いになったわけではない。
それなのに、距離が近づくほど離れたくなるのです。
回避型愛着の傾向がある方は、親密な関係になることで、自分の自由が失われたり、相手に踏み込まれたりするように感じる場合があります。
その背景には、子どもの頃の人間関係が影響していることもあります。
例えば、親に気持ちを打ち明けたら否定された。
甘えようとしたら、突き放された。
自分の考えを話したら、必要以上に干渉された。
そんな経験があると、人と深く関わることに慎重になる場合があります。
ここで、ひとつ大切なことがあります。
一人の時間が好きなことと、人との親密さを怖く感じることは、同じではありません。
一人で過ごすことが好きでも、人とのつながりを安心して楽しめる方はたくさんいます。
考えてみたいのは、
「私は一人が好きなのかな?」
それとも、
「人と近づくことで、何かを失うのが怖いのかな?」
ということです。
POINT 3|自分の気持ちが、よくわからない
友人から、
「最近、元気がないみたいだけど大丈夫?」
と聞かれました。
でも、自分では何がつらいのか、うまく説明できません。
「別に何ともないよ」
と答えてしまう。
本当は寂しいのかもしれない。
悲しかったのかもしれない。
誰かにわかってほしかったのかもしれない。
でも、その気持ちに自分でも気づいていないのです。
回避型愛着の傾向がある方の中には、感情を表に出すことや、自分の気持ちを言葉にすることが苦手な方もいます。
子どもの頃、
「泣くんじゃない」
「そんなことで怒らないの」
「我慢しなさい」
と言われ続けてきたとしたら、どうでしょう。
自分の気持ちを表現することを、少しずつ控えるようになるかもしれません。
そして大人になってからも、
「私は何が嫌だったんだろう?」
「本当はどうしたいんだろう?」
と、自分の気持ちがわかりにくくなる場合があります。
ただし、感情を言葉にすることが苦手だからといって、必ず回避型愛着というわけではありません。
大切なのは、感情をうまく説明できなくても、その気持ちが存在しないわけではないということです。
回避型愛着の3つの特徴を振り返ってみましょう
① 人に頼ること・甘えることに抵抗がある
助けが必要でも、一人で何とかしようとする。
② 親密になるほど距離を置きたくなる
関係が深まると、窮屈さや負担を感じやすい。
③ 自分の感情がわかりにくい
気持ちを表現したり、誰かに伝えたりすることが苦手。
いかがでしたか?
「自分にも当てはまるところがある」
と感じた方もいるかもしれません。
ただし、これらの特徴だけで回避型愛着だと判断することはできません。
自分の人間関係の傾向を理解するためのヒントとして、受け取ってくださいね。
不安型と回避型は、なぜ正反対に見えるのでしょうか?
前回の不安型愛着と、今回の回避型愛着。
二つを比べてみると、行動はまるで反対です。
不安型愛着
「離れていくのが怖いから、もっと近づきたい」
回避型愛着
「近づきすぎると苦しいから、少し離れたい」
不安型は、相手とのつながりを確かめようとする。
回避型は、自分の安心を保つために距離を取ろうとする。
どちらも、人との関係で安心しにくいという共通点が見られることがあります。
ただし、その背景が必ず同じとは限りません。
また、相手や状況によって、不安型と回避型の両方の反応が表れることもあります。
だからこそ、
「私は不安型だから」
「私は回避型だから」
と決めつけるよりも、
「私は今、何が怖くて、この行動を選んでいるんだろう?」
と考えてみることが大切なのです。
「一人で大丈夫」から「頼っても大丈夫」へ
もし、これまで何でも一人で解決してきたとしたら、人に頼ることは勇気がいるかもしれません。
いきなり自分の弱い部分をすべて見せる必要はありません。
まずは、小さなことから始めてみませんか。

例えば、仕事で困ったとき。
いつものように「大丈夫です」と答える前に、
「少しだけ手伝ってもらえますか?」
と言ってみる。
疲れているときには、
「今日は少し休みたい」
と、自分の状態を伝えてみる。
誰かに気持ちを聞かれたときには、
「まだうまく説明できないけれど、少し疲れているみたい」
と、今わかっていることだけを話してみる。
大きな変化でなくても構いません。
そして、誰にでも心を開く必要もありません。
安心できる相手を選び、自分にとって心地よい距離を探していくこと。
それも、人との関係を育てる大切な方法です。
一人で過ごす時間を大切にしながら、必要なときには誰かを頼る。
そんな関わり方ができるようになると、人との距離も、少しずつ自分で選べるようになるかもしれません。
一人でいられることも、誰かとつながれることも、どちらも大切にしていいのです。
アダルトチルドレンによる生きづらさは、人との距離の取り方に表れることもあります。
「どうして人に頼れないんだろう」
「なぜ、親しくなると離れたくなるんだろう」
そんな疑問があるときは、これまでの経験を振り返りながら、自分にとって安心できる関係を考えてみることもできます。
一人では整理しきれない気持ちがあれば、カウンセリングで一緒に見つめていきましょう。
自分を味方に、わたしを大好きになる。
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