「今、どんな気持ち?」と聞かれても、わからない
「今、どんな気持ち?」
そう聞かれて、言葉に詰まったことはありませんか?
怒っているはずなのに、なぜか涙が出てくる。
悲しいはずなのに、笑ってごまかしてしまう。
嬉しい出来事があったのに、心が動かない。
周りの人は、楽しそうに笑ったり、悲しそうに泣いたりしている。
それなのに、自分だけ何を感じているのかわからない。
「私って、感情が薄いのかな?」
「どうして自分の気持ちさえわからないんだろう」
そんなふうに思ったことはありませんか?
でも、感情がわからないことと、感情がないことは同じではありません。
もしかしたら、あなたの気持ちは、ずっと後回しにされてきたのかもしれません。
子どもの頃、泣くことも怒ることも許されなかった
アダルトチルドレンの方の中には、子どもの頃、自分の感情を自由に表現できなかった方がいます。
悲しくて泣くと、
「そんなことで泣かないの!」
腹が立って言い返すと、
「親に向かって、何その態度!」
寂しくて甘えようとすると、
「忙しいんだから、後にして」
そんな言葉を繰り返し聞いていると、子どもは少しずつ、自分の感情を表に出さなくなることがあります。
泣きたいけれど、我慢する。
怒っているけれど、黙っている。
寂しいけれど、平気なふりをする。
そうすることで、親に怒られたり、拒絶されたりすることを避けようとしていたのかもしれません。
そして、いつの間にか、
「私は、何も感じない方がいい」
と思うようになることもあります。
それは、子どもだったあなたが、その環境の中で身につけた対処の仕方だったのでしょう。
感情を抑えることが当たり前になると
感情を表に出さない生活が長く続くと、自分の気持ちに気づきにくくなることがあります。
例えば、職場で理不尽なことを言われたとき。
本当は腹が立っていたのに、
「私の受け取り方が悪かったのかな」
「相手にも事情があるんだろうな」
と、先に相手の立場を考えてしまう。
そして、家に帰る頃には、ただ疲れだけが残っている。
あるいは、好きな人と会った日。
本当は嬉しかったはずなのに、
「変なことを言わなかったかな」
「嫌われていないかな」
と、頭の中で反省会が始まってしまう。
嬉しさを味わうよりも、相手にどう思われたかが気になってしまうのです。
こうした反応には、さまざまな背景があります。
ただ、子どもの頃から周囲の顔色を見て過ごしてきた方の場合、自分の感情より、相手の反応を確かめることが習慣になっている可能性があります。
「何を感じているの?」と聞かれることさえ、苦しいときがある
ここで、ひとつお伝えしたいことがあります。
自分の気持ちを大切にしようと思っても、すぐに感情がわかるようになるとは限りません。
「今、何を感じているの?」
「本当はどうしたいの?」
そう聞かれても、
「わからない」
という答えしか出てこないこともあるでしょう。
でも、それでいいのです。
感情を取り戻すことまで、頑張らなくてもいい。
これまでずっと、周りの期待に応えようとしてきた方が、今度は「自分の気持ちをちゃんと感じなければ」と頑張ってしまったら、また自分にプレッシャーをかけることになります。
感情は、正解を探して答えるテストではありません。
怒りなのか、悲しみなのか。
寂しさなのか、不安なのか。
すぐに名前をつけられなくても構わないのです。
感情がわからないときは、体の感覚から始めてみる
「今、どんな気持ち?」
という質問が難しいときは、少し聞き方を変えてみませんか?
例えば、
「今、体はどんな感じ?」
と、自分に聞いてみるのです。
胸がぎゅっと苦しい。
肩に力が入っている。
お腹が重たい。
なんとなく落ち着かない。
あるいは、体が温かくて、ほっとしている。
そんな感覚に気づくだけでも十分です。
体の感覚と感情は、必ずしも一対一で結びつくわけではありません。
でも、自分の状態を知るための手がかりになることがあります。
そして、もし余裕があれば、
「さっき、何があったかな?」
と振り返ってみてください。
例えば、
「上司に注意された後から、胸が苦しくなった」
「友達と話した後は、少し体が軽くなった」
そんな小さな気づきから、自分の気持ちが見えてくることもあります。
もちろん、体の感覚に意識を向けることがつらい場合は、無理に行う必要はありません。
「わからない」も、今のあなたの大切な答え
自分の気持ちを聞かれたとき、
「わからない」
と答えることがあります。
でも、それは何も感じていないという意味ではないかもしれません。
まだ言葉になっていない。
いろいろな気持ちが混ざっている。
今は考える余裕がない。
そんな状態なのかもしれません。
だから、
「どうしてわからないんだろう」
と責める代わりに、
「今は、まだわからないんだね」
と、そのまま受け止めてみてください。
そして、何かを感じたときには、その気持ちをすぐに否定しないこと。
「こんなことで怒るなんて」
「寂しいと思うのは甘えだ」
「悲しんでいる場合じゃない」
そんな言葉が浮かんできたら、
「でも、私はそう感じたんだね」
と、心の中でつぶやいてみる。
感情を感じることと、その感情のまま行動することは別です。
怒りを感じたからといって、誰かに怒鳴る必要はありません。
悲しみを感じたからといって、必ず泣かなければならないわけでもありません。
どんな感情も、まずは「そう感じているんだ」と認めるところから始められます。
迷子になった感情を、急いで探さなくてもいい
子どもの頃から、周りの顔色を見て生きてきた。
自分の気持ちより、誰かの機嫌を優先してきた。
そんな方にとって、自分の感情に目を向けることは、慣れないことかもしれません。
でも、これからは少しずつ、自分にも問いかけてみてください。
「今日は、何か嫌なことがあったかな?」
「ほっとした瞬間はあったかな?」
「本当は、どうしてほしかったのかな?」

答えが出ない日があっても大丈夫。
何も感じられない日があっても、焦らなくていいのです。
感情は、無理に引っ張り出すものではありません。
安心できる時間や関係の中で、少しずつ気づけるようになることもあります。
そして、もし今日、
「本当は、少し悲しかったのかもしれない」
と気づけたなら、
その気持ちを、すぐに消そうとしなくてもいい。
「そうだったんだね」
と、自分に声をかけてみてください。
迷子になった感情を見つけることよりも、見つかった感情を置き去りにしないこと。
私は、それが大切だと思っています。
自分の気持ちがわからない。
何を感じているのか、うまく言葉にできない。
そんなときは、無理に答えを出さなくても大丈夫です。
カウンセリングでは、話せることから少しずつ、あなたの気持ちを一緒に整理していきます。
「わからない」という言葉から始まっても構いません。
これまで後回しにしてきたあなたの気持ちに、少しずつ目を向けていきませんか。
まずは、あなたのお話を聞かせてください。
自分を味方に、わたしを大好きになる
つむぐ🍀こころLab
