「私なんて、いなければよかった」
そう思ったことが、一度でもありますか。
もしそうなら、この話を読んでほしいのです。
CHAPTER 1 マイナスの過去
ずっと、自分が「余分な存在」のような気がしていました。
祖母の顔色を読みながら育ち、「いい子」でいることが自分の役割だと思っていた。
感情を出せば怒られる。
我慢すれば褒められる。
そうやって、少しずつ「本当の自分」を後ろに追いやってきた。
大人になってからも、その癖は続きました。
人に合わせすぎて疲れ果てても「私が我慢すればいい」と思う。
誰かに必要とされることで、やっと自分の存在を確かめていた。
「私はどうして生まれてきたんだろう。
こんなに苦しいなら、生まれてこなければよかった」
そんな言葉が、心の中でつぶやかれる夜がありました。
あなたにも、そんな瞬間がありましたか。
CHAPTER 2 あるとき、気づいたこと
転機は、ある小さな気づきからでした。
カウンセリングの中で、長い間心の奥に押し込めてきた感情を、初めて言葉にしたとき。
泣いているのか、怒っているのか、自分でもよくわからなかった。
でも、確かに何かが動いた感覚がありました。
そのとき、こんな問いが浮かんできたのです。
これだけ傷ついても生き続けてきたのは、
なぜだろう。
これだけ苦しんでも誰かを思いやれるのは、
なぜだろう。
答えはすぐにはわかりませんでした。
でも、その問いを抱えたまま、少しずつ自分の内側を掘り下げていくうちに、ある感覚が生まれてきました。
「私はもしかして、このために生まれてきたのかもしれない」
苦しかった経験が、誰かの痛みに寄り添う力になる。
感じすぎてしまう感受性が、誰かの言葉にならない気持ちをすくい上げる力になる。
あの苦しみは、無駄ではなかった——そう思えた瞬間、長い間固まっていた何かが、ゆっくりとほぐれ始めました。
CHAPTER 3 今、思うこと
今でも、すべてが「よかった」とは思えない日もあります。
あの子ども時代がなければよかった、と思うことも正直あります。
でも同時に——あの経験があったから、今ここで誰かの痛みに寄り添えている、という感覚も確かにあります。
生まれてきた「わけ」は、最初から決まっているものではないのかもしれません。
生きていく中で、自分で意味を見つけていくもの——私はそう思っています。
そして、あなたがここまで生きてきたこと自体に、すでに意味があると、私は信じています。
CHAPTER 4 あなたへ
これだけ傷ついても、まだ誰かを思いやれるあなた。
これだけ苦しんでも、まだ「変わりたい」と思えるあなた。
それはただの「弱さ」ではありません。
それが、あなたが生まれてきた力の証です。
あなたが生まれてきたわけは、まだ途中です。
これからの日々の中で、少しずつ見えてくるものです。
だから——どうか、もう少しだけ、自分を連れていってあげてください。

